思い出

なんとなく「映画見よっかな」という気分だったので、買ったままずーっと見ていなかった「フィリップ、きみを愛してる」という作品を見る。

若い頃ジム・キャリーが好きで、色々な作品を見た。Mr.ダマーやエース・ベンチュラの狂気じみたギャグマシーンの彼はおそらくパブリック・イメージとして定着しているが、僕の好きなのはトゥルーマン・ショウやマン・オン・ザ・ムーンのテンションの張り具合。

フィリップ〜では、ギャグマシーンのジム・キャリーは風貌こそ老けてしまったもののまだまだ錆びついちゃいなかった。バリバリに腰は振るし泡も吹くし流石だ。でもやっぱりマン・オン・ザ・ムーンが恋しくなって部屋のDVDコーナーを探ったんだけどない。多分、むかーしに付き合っていた彼女に貸したままだ。

アンディ・カウフマンなんてコメディアンを僕はそれまで知る由もなかったんだけど、ジム・キャリーの完コピと断言してもよいキャラ作りを通して、創り手の苦悩と神経の擦り減らし方を知った。前衛的な何かには苦心惨憺がつきまとうものなんだな…と。

サウンドトラックを担当したのがR.E.Mで、アンディ・カウフマンが歌詞に登場する「Man On The Moon」がエンディングで和訳つきで流れてた。勿論、この楽曲あってこそ「マン・オン・ザ・ムーン」というタイトルの映画になったんだけど。

マン・オン・ザ・ムーン デラックス版 [DVD]

マン・オン・ザ・ムーン デラックス版 [DVD]

この映画の中で、ジム・キャリー演ずるアンディ・カウフマンの妻役はコートニー・ラブだった。カート・コバーンがその頭を自ら撃ち抜いた部屋で流れていたとされるのはMan On The Moonが収録されているこのアルバム。

Automatic for the People

Automatic for the People

そんなつながりもあって、僕はマン・オン・ザ・ムーンという映画が大好きなので、元カノにどうにか連絡を取ってDVDを返してと告げるような狂気じみた行動に出るかAmazonで注文するかしばらく考えてみようかと思う。

前述したこともあってか、今日はR.E.Mを聴いた。Nightswimmingという楽曲が好きだ。声に出して言えないし、こうやって書くのもマズいのかもしれないが、まだ学生の時分に「闇プール」と称し母校のプールに夜な夜な侵入し泳ぎまくるという行為に興じていたことがあった。一度や二度だったけど。ヤバいから楽しいっていう若さ故のアレだったのかもしれない。あの闇プールを思い出すと、マイケル・スタイプが「ナイスウィミーン」って歌いだすんだ。何故だろう。

闇プールにて、50mクロール競争で僕はビリだった。あの2人はその人生を辛くもありながら楽しく未来を見て暮らしている。僕は相変わらずビリで水中でこむら返りという始末…。うーむ、息継ぎ出来ませぬ。